子プロセスの終了ステータスを取得するには特殊変数「$?」を使用します。
waitで子プロセスの終了を待った]場合は、$?に子プロセスの終了ステータスを含めた複数の値が格納されます。またsystem関数を使って子プロセスを実行した場合にも$?が設定されます。
$?の解釈の方法はやや複雑です。$?には16ビットの値が設定されます。上位8ビットに子プロセスの終了ステータスが設定されます。下位8ビットの8ビット目には、コアダンプが生成されたかどうかを表します。下位8ビットの7ビット目までは、もしあればプロセスを終了させたシグナルの番号を表します。
|----------------------+----+------------------| | 8 | 1 | 7 | |----------------------+----+------------------| | | | 終了ステータス コアダンプの 子プロセスを終了させたシグナル 発生
ですので、終了ステータスを取得するためには、$?を8ビット右にシフトさせる必要があります。
# 終了ステータスの取得my$exit_value = $?>> 8;
コアダンプが発生したかどうかを見るには
# コアダンプが発生したかどうかmy$dumped_core = $?& 128;
とします。128は2進数になおすと 10000000 ですので、ビット積をとると8ビット目以外が0になります。子プロセスを終了させたシグナル番号を見るには
# 子プロセスを終了させたシグナル番号my$signal_num = $?& 127;
とします。127は2進数で、01111111 ですので、ビット積をとると下位7ビットが取得できます。
子プロセスが終了したかどうかを調べる
wait関数はCHLDシグナルが発生すると制御を戻します。つまり、子プロセスが終了したときだけではなく、子プロセスが停止したり、再開したりした場合にも制御が戻るということです。
子プロセスが確実に終了したかどうかを調べるには、WIFEXITED関数を使用します。
use POSIX q(:sys_wait_h); my$is_finished = WIFEXITED($?);
子プロセスの終了ステータスを見るサンプル
子プロセスの中でdieを呼んだので終了ステータスは255になります。親プロセスがこのステータスを取得できているのがわかると思います。
use strict; use warnings; use POSIX qw(:sys_wait_h); my$pid = fork; die"Cannot fork: $!"unlessdefined$pid; if ($pid) { # 子プロセスの終了を待機する。wait; print"親プロセス( 子プロセスID: $pid )\n\n"; my$exit_value = $?>> 8; my$dumped_core = $?& 128; my$signal_num = $?& 127; my$is_finished = WIFEXITED( $? ); print"子プロセスの終了コード: $exit_value\n"; print"コアダンプが発生したかどうか : $dumped_core\n"; print"子プロセスを終了させたシグナル : $signal_num\n"; print"子プロセスが終了したかどうか : $is_finished\n"; } else { # 子プロセスで2秒待つsleep2; print"子プロセス\n"; die; }
実行結果は
子プロセス Died at c.pl line 29. 親プロセス(子プロセスID: 13830) 子プロセスの終了コード: 255 コアダンプが発生したかどうか : 0 子プロセスを終了させたシグナル : 0 子プロセスが終了したかどうか : 1
のようになります。